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第11回企業年金部会、全国民が加入可能な「個人型DC」など制度改正の方向性を提示

2014-10-31

 第11回社会保障審議会企業年金部会が2014年10月31日、東京・永田町の全国都市会館で開催された。9月から進んできた税制が絡む課題を中心にした議論の内容を踏まえて、事務局である厚生労働省から税制関連項目について税制改正要望についての「方向性」が示され、「個人型DCへの小規模事業主掛金納付制度の創設」、「個人型DCの加入可能範囲の見直し」、「企業型DCのマッチング制度の見直し」などが示された。

 第10回部会からの継続テーマである「ライフコースの多様化への対応」では、「個人型DCの適用範囲のあり方」、「第3号被保険者に係る適用範囲のあり方」、「現行の個人型DCの課題」、「マッチング拠出のあり方」、「ポータビリティの拡充」などについて、委員からの意見が集約された。

 特に、「個人型DC」については、「すべての国民が老後所得確保のための税制優遇枠を持ち、その枠は企業年金で埋めても自助努力で埋めてもよいという形を基本とすべき」(森戸英幸委員、臼杵政治委員、鈴木博司委員ら)といった考え方に基づき、第3号被保険者や公務員等も加入ができる「個人型DC」の導入が必要という意見が強く出た。また、多様な働き方に対応するための年金資産の「ポータビリティの拡充」の点では、DB(確定給付型企業年金)間、または、DBからDCへの積立金の移行など、転職等によって異なる企業年金制度に移行するに、加入者が不利益を被らないように法令を整理することが重要という意見が出た。

企業型DCの「拠出限度額」「中途引出し」等は来年度も継続議論

 一方で、これまでの議論で出てきたDB・DCの拠出時・給付時の仕組み(拠出限度額、中途引出し、支給開始年齢等)のあり方については、「継続的な議論が必要」と整理され、来年度以降に改めて企業年金部会で検討することになった。

 そして、年内の企業年金部会では、投資教育、資産選定のあり方など原稿制度の改善、また、ガバナンスの確保などについて議論をし、「年内または年明け早々をメドに」部会における議論の整理を行うことが確認された。

税制関連の改正の方向性

 なお、部会において、「これまでの部会議論を踏まえた方向性(税制関連項目)」として示された項目は、以下の通り。

 (1)個人型DCへの小規模事業主掛金納付制度の創設(企業年金の実施が困難な小規模事業主(従業員数100名以下)について個人型DCへの事業主による追加拠出を可能とする)。
 (2)DCの拠出限度額の年単位化(月単位で設定されているDCの拠出限度額を年単位とする)。
 (3)個人型DCの加入可能範囲及び拠出限度額の見直し(企業の経営状況や、個人の就労形態又は離転職に左右されずに自助努力を支援する観点から、企業年金加入者・公務員等共済加入者・第3号被保険者について個人型DCへの加入を可能とする。併せて、個人型DCの拠出限度額について再設定)。
 (4)企業型DCのマッチング拠出の見直し(個人拠出の仕組みである企業型DCのマッチング拠出については、同じく個人拠出の仕組みである個人型DCに整理・統合)。
 (5)企業年金等のポータビリティの拡充(就労形態が多様化する中、加入者の選択肢を拡大し、老後所得確保に向けた自助努力の環境を向上させるため、制度間(DB、DC、中退共等)のポータビリティが確保されていない部分について、ニーズを踏まえつつ、ポータビリティを拡充)。

 これらの項目については、来年の通常国会で提出し、春から夏にかけて議論されて法案として成立することをめざす。法令の施行は、2016年春以降が想定される。なお、企業型DCの制度改定において注目度が高い「拠出限度額」、「中途引出し」などについては、年末年始までの議論のまとめの中で意見を整理し、「DB、DCを問わずに一体として企業年金全体を考える制度改革の中で、一段と議論を深めていきたい」としている。

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