DCニュース

 

東京海上日動、総合型DC制度の開発者として企業ニーズに適ったサービス提供

2014-11-25

東京海上日動火災保険株式会社
401k事業推進部次長兼営推企画
グループリーダー
山根拓氏

 東京海上日動火災保険は、中堅・中小企業が導入する有力な確定拠出年金(DC)プランとして定着している「総合型プラン」を業界に先駆けて開発し、2001年10月から提供を開始している。「総合型プラン」は、中小企業のすそ野が広い日本の産業構造にマッチし、さらに、地方銀行などの金融機関と提携することによって地方の企業にまで幅広く浸透した結果、同社の受託企業数は約2600社と多くの企業から制度運営を受託するまでになった。同社の401k事業推進部次長兼営推企画グループリーダーの山根拓氏(写真)に、同社が提供するDCサービスの特徴と、DC市場の展望について聞いた。

DC制度がスタートして10年余りが経過していますが、この間のDC市場の変遷を、どのように捉えていますか?

 DC法が施行された当初から、この制度は中堅・中小企業のための制度であり、個人が資産形成するための有力なツールになると思いました。そして、確定拠出年金法の施行と同時に、日本の中堅・中小企業のニーズを踏まえて「総合型プラン」を開発し、サービス提供を開始しました。「総合型プラン」は、レディメイド型の制度とし、掛金の拠出から運用商品の提供までを1つのパッケージとして複数の企業が相乗りで使えるようにすることで、制度導入のコストを抑え、当局への申請手続きなども簡便になり、幅広く普及する制度になりました。

 このような制度の形は、中小企業のすそ野が広い日本独自の制度提案でした。現在までに約2,600社からDC運営管理業務を受託していますが、うち約2,300社は総合型で受託しています。

 一方、中堅・中小企業向けの総合型プランの推進と併せ、個人型DCプランの普及についても働きかけを強めてきました。たとえば、企業向けの総合型プランは、従業員50名以上を中心にご案内していますが、企業型のニーズに合わないお客様の場合は個人型DCプランを活用することで資産形成の一助とされることを勧めています。そのような結果、現在、当社が提供する個人型DCの加入者は約8万2,000人に達し、個人型DCの引き受けでも最大手の一角になっています。

 ただ、現在の個人型DC加入者は総数でも20万人で、加入可能対象者の0.5%程度に過ぎないということが実態です。個人型DCは、より積極的な情報発信が必要であると感じています。個人型DCは、年金資産として積み立てた資金が非課税で運用できるというメリットがあることと併せて、拠出資金が所得控除の対象となり、節税メリットが確実に活かせます。老後の資産形成の手段として、もっと活発に活用されるべき制度だと思います。

 企業型DCについては、2011年に新規導入のヤマがありました。適格退職年金制度が2012年3月で廃止されたことで、その受け皿のひとつとしてDCが導入されていきました。この後は、一時的にDC導入機運は小さくなったのですが、2013年頃から厚生年金基金の解散が話題になる一方で、14年3月決算から退職給付会計において未認識債務を即時認識することになった関係などもあって、改めてDC導入の検討が盛り上がってきています。

 このため、現在はDC新規導入についての検討が、かつてなく活発化しています。特に厚生年金基金は向こう5年間で70%近くが解散するといわれ、約10万社430万人の加入者が動くという大きなうねりになっています。

企業向けのDCの提案で、中堅・中小企業を中心に提案している理由は?

 日本には中小企業が多く、また、中堅・中小企業には中途採用が多いという傾向があって、年金資産を持ち運べるポータビリティのあるDCは、退職給付制度としてメリットの大きい制度だということがあります。

 退職給付や福利厚生の制度は、DC以外にも、様々な制度を設計することが可能ですが、退職金の一部としてDCのような持ち運びができる制度を導入するということに、企業ニーズは常に一定程度あります。また、DCがある企業から人材を受け入れる際にも、DC制度が備わっていることはアピール・ポイントの1つになります。

 損害保険会社は、提供している保険商品の多くが、基本的に1年間で更新されるタイプの商品なので、DC制度のように長期にわたるサービスを通じて、長年にわたって取引できるメリットは大きいといえます。当社としてもDCの制度提案は戦略的に取り組んできました。

御社のDCサービスの特徴は?

 制度の導入にあたって、より細かな要望にお応えできるよう、全国の主要拠点にDC専門の担当者を配置しています。東京や大阪には専門の担当者がいる運営機関もありますが、当社では現在、7拠点に専任者を配置して稼働しています。やはり、現地に近い拠点からサポートに向かう方が、退職金規定の細かな調整などにも行き届いた支援ができるというメリットがあります。制度を導入していただいた企業様からも高い評価をいただいています。

 また、全国の金融機関28行と提携し、共同で引き受けるプランを提供していることも特徴になっています。適年の時もそうでしたが、地域の中堅・中小企業の皆様は情報が不足しており、相談相手を探しています。日頃からお客様とリレーションの深い地域の金融機関様と連携させていただくことで、より幅広く情報提供ができ全国で2600社を超える企業とお取引をいただいています。

 また、DCの加入者の方々には、「メディカルアシスト」のサービスを無料で提供しています。フリーダイヤルの専用コールセンターは、「救急専門医」と経験豊富な看護師が、24時間365日体制で医療に関する相談を受けております。突然の病気やケガなど緊急時の対処方法や、休日や深夜の病院のご案内など、からだに関する悩みにお応えしています。産業医がいない企業もあるので、それを補完する役割を果たすこともできます。 そして、DC専用に提供している保険商品「ねんきん博士」(利率保証型積立傷害保険、保証期間5年・同10年)は、元本確保型商品として多くのお客様から支持を得ています。

DC制度発展のために必要な制度改定は?

 60歳未満での中途引出しの更なる要件緩和が実現できれば、普及に弾みがつくと思います。個人型加入対象者の拡大、拠出限度額の引き上げ、特別法人税の廃止、規約申請の簡素化、運用商品除外の簡素化等いくつかの課題がありますが、更なる制度の普及に向けては一定のペナルティを付けてでも中途引出の自由度を高めることが重要と感じています。

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