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損保ジャパン日本興亜DC証券、バンドル型で的確にきめ細かなサービスを提供

2014-12-03

損保ジャパン日本興亜DC証券株式会社
常務取締役 河原英樹氏

 損保ジャパン日本興亜DC証券は、確定拠出年金(DC)に特化した機関として、制度設計から投資教育、記録管理業務までを一括して引き受ける「バンドル型」のサービスを提供している。通常の運営管理機関では気が付かないような加入者の投資行動の変化などを踏まえたきめ細かで小回りの利くサービスが支持され、企業規模や業種などを問わず多くの企業にDCサービスを提供している。同社常務取締役の河原英樹氏に、DC市場の変遷と今後の見通し、そして、同社のサービス特性について聞いた。

DC制度に関する企業ニーズに変化は?

 適格年金が終了した2012年を境にして、一旦、下火になっていたのですが、2013年頃からはDB(確定給付型企業年金)からDCへの移行というニーズが出始め、その後、厚生年金基金の解散に伴うDCへの移行を検討したいというお問い合わせが増えている状況です。

 今年、ある大手メディアが実施した企業アンケートによれば、今後の退職給付制度は「DCを中心に考える」という企業が全国で30%程度を占めたとのことです。このことからも、DC制度が当たり前の制度として企業に浸透していると感じています。

 一方、既存のDC制度導入企業の動きは、企業ごとのDC制度に対する考え方で取り組みにバラつきが目立ってきています。たとえば、マッチング拠出についての対応も、マッチング拠出を導入した後の加入者の利用率は80%程度のところから数%に止まるところまで差があります。

 また、運用商品のラインアップの拡充について、全体の傾向として伝統4資産から新興国、REITなどを追加し、最近ではターゲット・デート型ファンドを導入したいというお問い合わせも増えているのですが、中には、制度の導入から何年も経過しているにもかかわらず一度もラインアップを見直していないというところもあります。ここにも企業の意識の差が表れているように感じます。

貴社のDCサービスは、制度設計から記録管理業務まで一貫して請け負う「バンドル型」が特徴ですが、そのような「バンドル型」を好まれる企業に特徴はありますか?

 特に「バンドル型」を好まれる企業に、企業規模や業態などで特徴があるということはありません。当社とお取引いただいているのは、従業員規模が100名~200名の企業が中心ですが、もっと大きな企業や、より小さな企業との取引もあります。また、伝統的な企業からベンチャー企業まで、企業の歴史の長短の別もなく、幅広い企業にニーズがあります。現在、約670規約、1400以上の事業所とお取引いただいています。

 ただ、当社の生い立ちが外国企業との合弁だったということもあって、外資系企業とお取引が多いのはひとつの特徴です。外資系企業は、日本でDC制度が導入された2001年当時から、DC制度導入の意欲が強い傾向がありました。当社もコールセンターの外国語対応をいち早く進めるなど、外資系企業対応で先行しました。この結果、あくまでも推定ですが、現在、日本でDCを導入している外資系企業の約40%程度は、当社とお取引いただいている状況だと思います。

貴社のサービスの特徴は、「バンドル型」としてコストが安いというところでしょうか?

 他社と比較して当社に決めていただいたお客さまから「コストが決め手になりました」といっていただくことが少なくありません。日本のDC制度では、レコードキーパーを他に委託するのが一般的ですが、一体型でサービスを提供することで重複するコストが発生しないメリットはあると思います。

 ただ、コストが安いというのは、バンドル型サービスのメリットの一部に過ぎないと思っています。もっと大きなメリットは、制度設計から加入者の運用に関するデータまで、一体として管理している点にあると思います。一体管理することによって、より的確でスピーディなサービス提供ができます。

 たとえば、当社は、アンサーセンターに入ったお客さまの声、訪問によって得られた事業主様の声、プランの特性、運営状況をトータルに把握しており、それを踏まえた上で継続教育のご提案を行っています。

 このように制度全般にわたるサービスを一括してお引き受けしているからこそできるきめの細かなサービスが、当社が提供するサービスの特徴だと自負しています。

 また、グループの損保ジャパン日本興亜には、DCの提案に特化した専属の営業部隊があり、全国の事業所への制度提案や制度運営のフォローでサポートしてもらっています。きめ細かなサービスを提供する上で、このようなグループ連携も大きな力になっています。

最近、追加されたサービスや力を入れておられるサービスは?

 投資教育において、カフェテリアプランのように、事業主のニーズに応えられるオーダーメイド型の研修内容を提供できるようにしています。これまでは、主として固定メニューでのセミナーをご案内していましたが、お客さまの希望するメニューを自由に組み合わせて設計できるようにしました。今年10月には、マッチング拠出制度の使い方など内容を充実させ、継続教育で利用していただくことを想定した投資教育DVDを制作し、無償で提供しました。

 また、個々の加入者が利用できるメニューとしては、昨年、ライフプランシミュレーションのリニューアルを行いました。また、PCからスマートフォン、タブレットとデバイスが進化していくことに合わせ、利用可能なOSの拡大や最新バージョン化を行うなど、いつでもどこでも情報提供ができる環境の整備も進めています。

 このほか、全国の各企業のDC担当者が集まって情報交換を行う事業主交流会を継続的に開催しており、事業主の皆さまよりご好評をいただいています。

 厚生年金基金の受け皿対応としては、新・総合型DC制度「未来のそなえ」を2014年11月から提供開始しています。総合型DCについては、制度設計に自由度を確保しにくいため、いったんは提案をストップしていたのですが、今回、厚生年金基金の解散への対応で、手軽に短期間に導入できるDC制度へのニーズが改めて高くなってきたこともあり、“新・総合型プラン”として提案しています。

 「未来のそなえ」は、制度導入の検討開始から、最短で3カ月でスタートできるスピード感に特徴があります。また、商品ラインも各種パッシブファンドやJ-REITファンドも含めた20本のラインアップとし、マッチング拠出もセットで提供できる内容になっています。11月のスタートと同時に3件のお申し込みをいただくなど、このような簡便な制度に対するニーズがあったことを実感しました。

現在、DC制度改定の議論も進んでいますが、制度改定について優先的に取り組むべき内容について、ご意見は?

 制度改定については、「拠出限度額の上限撤廃」、「マッチング拠出を企業の拠出額を上限とするという枠をなくすこと」、「中途引出し規制を柔軟化すること」など、現在、企業年金部会などで取り上げられている見直し案が実現されることを期待しています。

 ただ、制度が使い勝手の良いものになることと裏腹の関係で、システム負荷が大きくなるという課題が出てきます。運営管理機関としては、制度改定によってDC制度が普及することは喜ばしいことですが、レコードキーパーとしては、システムコストの負担は大きな問題です。当社は両方の立場を担っていますので、この相対する課題の難しさが理解できます。

 事業主・加入者の皆様の利便性を十分に踏まえて、今後も当社ならではの提案、取り組みを進めていきたいと思います。

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