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日本生命、コールセンター、従業員教育を中心に加入者目線にこだわったDCサービスを提供

2014-12-05

日本生命保険相互会社
団体年金部確定拠出年金業務グループ確定拠出年金業務課長
横山浩司氏

 日本生命保険は、2001年に日本で確定拠出年金(DC)法が施行される以前から、DC制度で先行していた米国の市場に学び、日本の市場ニーズに適ったDCサービスの提供に努めてきた。10年余りをかけて「人を育てることに主眼を置き、DC関連のサービスをトータルで提供できるチームを構築してきた」という。「ニッセイ確定拠出年金コールセンター」が国際的な評価機関から「五つ星認証」という最高の評価を得るようになったことに、「チームを育てる」という同社の取り組みの成果が見てとれる。同社団体年金部確定拠出年金業務グループ確定拠出年金業務課長の横山浩司氏に、同社が取り組んできたDCサービス体制構築の経過と現状について聞いた。

DC制度についての企業の関心は高まっていますか?

 DCの導入機運は着実に高まっていると感じています。退職給付会計の改定による年金コスト時価評価への対応、厚生年金基金の解散への対応など、企業年金を巡る制度変更に伴う対応という側面から、DCの検討を進める企業は少なくありません。

 また、拠出限度額の引き上げ、マッチング拠出制度の導入など、DC制度そのものが拡充されてきていることも、企業の制度導入を後押ししています。

 一方、当社では約580規約、1700以上の事業所の運営管理機関を務めていますが、DC制度を導入している事業主の間でも、DC制度の改定に対応した動きが続いています。たとえば、マッチング拠出については従業員への福利厚生制度のひとつとして関心は高く、徐々に導入が進んでいます。

 DCの運用商品のラインアップも、徐々に拡大する方向にあります。当初は国内の株式・債券に加え、先進国の株式・債券という品揃えだったものが、分散投資の対象拡大として新興国等を加えたラインアップへと変わってきました。更に最近では投資が得意でない加入者にもメリットのある安定商品の充実という視点で、元本割れしない保険商品や、市場環境に沿って機動的に配分比率を調整する「お任せ」型のバランス型投信等を採用する企業が増加しています。

 ただ、DC制度を導入している企業では、継続投資教育をいかに行っていくかということが長年の課題になっています。制度に関心の薄い若者も多いため、若年層への研修を強化したいということも、多くの企業が抱えている課題といわれています。

 運営管理機関としては、このような継続投資教育を始め、DC制度が企業それぞれの狙い通りに定着することについてサポートしていくことが、大きな役割ですので、過去10年以上をかけて、DC専任講師の養成やサポート体制の拡充を図り、多くの企業が抱えている課題解決に取り組んできました。

DC制度導入拡充への取り組みとは?

 当社は米国の大手生命保険・資産運用会社のプリンシパル・フィナンシャル・グループに出資するとともに、米国における401k(確定拠出型年金)ビジネスのノウハウを学んできました。日本で2001年に確定拠出年金法が施行されたことを機に、米国の情報を意識しながら、日本における制度普及に取り組んできました。

 その経験からいえることは、企業型DCの運営においてポイントになるのは、従業員への投資教育や制度教育といった教育の徹底です。この分野では、既に制度開始から30年ほどの歴史がある米国でも苦労している企業が少なくないのです。

 この従業員教育という分野では、生命保険会社の強みが生きると考えています。そもそも生命保険会社は、日頃は意識することがない、万一の場合の家族の生活保障などの埋もれたニーズを、時間をかけて喚起し、商品提案するということを本業としてきました。そこで磨いてきたのは、関心が薄い加入者に対し正しい知識を伝えるためのノウハウです。

 DC制度で若年層の関心が薄いというのは、若い方々にとって「老後」というのが、とても遠い話だからです。このような日頃関心のないことに、いかにスムーズに関心を向けていただき、ご自身の問題として感じていただけるか。そこには、私たちが生命保険商品を販売する時に使っているライフプランに関する話などが活用できます。

 制度導入をご検討いただいている事業主の方には、当社が時間をかけて構築してきたDC投資教育の一部を体験いただく「デモセミナー」などに参加していただいています。この「デモセミナー」が、当社に運営管理機関を任せていただく際のポイントのひとつにもなっています。

日本生命のDCサービスの特長は?

 加入者を大事にするということが全ての基本になっていることです。たとえば、加入者の方々と、私たちが直接触れ合う場として、加入者向けセミナーやコールセンターでの応対があります。セミナーの講師は、自社で専任講師を養成してきました。また、「ニッセイ確定拠出年金コールセンター」は、“ワンコールで完結”,“一貫したサポート”などを特長とし、DCについてあらゆる相談にお応えできるサービスを提供しております。当サービスは高い評価をいただいており、サポートサービス業界の国際機関であるヘルプデスク協会(HDI)から、2年連続で「五つ星認証」を獲得しています。DCコールセンターで「五つ星認証」を取得しているところは他にありません。

 この「五つ星認証」は、「問合せ窓口格付け」で最高ランクの「三つ星格付け」と、リーダーシップ等の5つの要素についてのマネジメント・業務プロセスに対して評価される「サポートセンター認証」の両方を取得したコールセンターに与えられるものです。当社では「サポートセンター認証」を昨年取得し、「三つ星格付け」は2009年から6年連続で取得しています。

 また、2012年度に「団体年金部」を新設し、DCとDB(確定給付型企業年金)をトータルでサービスできる体制にしました。トータルでサービスすることによって、企業年金や福利厚生に関する様々な相談にワンストップで対応できます。

 たとえば、DBでは中小企業向けに開発した商品「DBパッケージプラン125プラス」を提案しています。厚生年金基金の解散に向けた対応において、総合型DCと合わせて提案することで、企業がDCとDBで選択できるようにし、最もニーズに合った制度を採用いただいています。

DC向けの商品の提案で新しい展開は?

 元本確保型商品として提供している「ニッセイ利率保証年金」(GIC)は、5年保証、10年保証に加え、より高い利回りを狙う20年保証も提供しており、様々な企業ニーズに応えられるラインアップとしました。また、中途解約時においても元本割れすることのない新しいタイプの商品「5年・元本保証タイプ(愛称:みらいの希望)」も提供しています。通常の定期預金よりも利回りが高い傾向にあることから、デフォルト商品としても多くの企業で採用されています。安定運用についてのニーズが高く、また、将来の受け取りにおいて終身年金など様々な受け取り方法が用意されていることからも、「ニッセイ利率保証年金」は根強いニーズがあります。

 また、最近は、新しいタイプのバランス型ファンドとして「みらいのミカタ」という愛称をつけた「DCニッセイ安定収益追求ファンド」も人気があります。円金利資産(国内債券および為替ヘッジ付き外国債券)を実質的に70%以上組み入れて安定した収益をめざすのですが、一部で株式等のリスク性資産を組み込むことが可能になっており、資産配分については、運用者が、運用環境を見ながら機動的に判断するというものです。

 「みらいのミカタ」は、信託報酬控除前で年率2.5%以上の安定(絶対)収益を狙って運用しているため、DCの想定利回りが2%程度の団体からの強いニーズがあります。

現在、DCの制度改正の議論が進んでいますが、期待している改正ポイントは?

 幅広い見直しが進んでいますが、最終的には、加入者目線で整理され、加入者に分かりやすく、利便性が高い制度改正が実現されることを期待しています。

 また、今後の企業年金はDCの比率が一段と高まることが考えられ、個人型DCも拡大する方向にあります。自らの責任で年金資産を運用することが広く求められるようになってきますが、そのような時代を前に、「金融リテラシー」を広く一般に普及させることが重要な社会的課題になっています。この「金融リテラシー」の普及は、企業年金の場だけで完結するものではありません。学校教育も含め社会全体で考えていく課題でしょう。当社も、大きな視野に立って、DCの普及促進に努めていきたいと思っています。

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