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第14回企業年金部会、DC制度の手数料について活発な議論が展開される

2014-12-26

 第14回社会保障審議会企業年金部会が2014年12月25日に開催された。年末も押し詰まった時期での開催になったにもかかわらず、140席用意された傍聴席が満席になり、関係者の関心の高さを感じさせた。部会で議論されたのは「企業年金のガバナンスについて」と「現行制度の改善について」の2点。特に、DC制度については、制度運営に関する手数料について活発に議論が行われ、また、個人型DCの自動移管者への対応についても意見が多く出た。今回の部会において、主要な議題についての議論は一巡。来年からは、これまでの議論の論点を整理する次の段階に進む。

 企業年金部会は、2014年6月から12月までに14回開催され、確定給付企業年金制度(DB)・確定拠出年金制度(DC)を中心に、中小企業向け取り組みやライフコースの多様化への対応といったテーマについて、制度のあり方の方向性について議論を行ってきた。

 「ガバナンスについて」の議論では、「基金型」、「規約型」、また、複数の事業主が1つの制度を利用している場合と、単独で制度を運営している場合、それぞれのケースに合わせてガバナンスのあり方を議論する必要性があることで一致した。そして、「資産運用委員会」の設置や会計監査のあり方など、ガバナンスを確保するために体制を整備・強化することは大事だが、その際において運営に関する経費については、企業年金の普及・拡大を阻害しないように過度な経費負担にならないような配慮が必要だという議論があった。

 一方、「現行制度の改善について」は、企業年金部会での意見や企業年金制度の現場の運営の中で出てきている改善要望、また、規制改革実施計画で指摘されている事項等を踏まえて、事務局である厚生労働省で論点を整理し、改善の方向性についての考え方を示した。

 その中で、DCの各種手続きや手数料は、「できる限り簡素な手続きで低廉な手数料となるように、関係者は努力すべき」という点には、委員から概ね賛同の意見が続いた。特に、今後拡充をめざす個人型DCについては、運営管理手数料等を一覧で見られるサイトの構築など、情報開示を拡充する必要性などの指摘があった。

 ただ、厚労省が運営管理機関の競争促進によってコスト削減につなげる意図で提案した「運営管理機関の見直しの定期的(3年ごとなど)な検討を促す措置を講ずるべきではないか」という考え方については委員から異論が出た。たとえば、「企業型DCは手数料が相対で決まっている。また、運営管理に関する手数料は実質的に企業が負担し、運用に関する信託報酬等の手数料は加入者が負担する構造になっている。

 運営管理機関の見直しを定期的に行うべきと規定してしまうと、選定のためのコンペのコストが着実に新たな負担になり、その上乗せコストは何らかの形で回収しようという動きになる。運営管理に関する企業側コストが削減される反面、加入者の運用に関する手数料が上乗せされるなど、意図しないところに影響が出る可能性も否定できない。制度導入時の運営管理機関の選定において、比較検討を十分に行うようにした方が実態に適う」(鈴木博司氏・前日本年金数理人会理事長)などの意見が出た。これに対し、事務局では「運営管理機関の選定については、年金局長通知によって、“もっぱら加入者等の利益の観点から、複数の運営管理機関又は資産管理機関について適正な評価を行う等により選任すること”と示しているので、この趣旨が徹底されることが大切」との回答があった。

 「DC制度の手数料についての議論が、このように公の場でされることが重要」(森戸英幸氏・慶應義塾大学大学院法務研究科教授)という意見があった。

【参考情報】
個人型DC制度の運営管理機関別手数料ランキング
(出展:MORNINGSTAR 401k-PortabilityGuide)

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