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第15回企業年金部会、DCの拠出限度額や中途引出し、特別法人税撤廃は継続議論

2015-01-19

 第15回社会保障審議会企業年金部会が2015年1月16日、東京・平河町の全国都市会館で開催された。11人の委員全員が参加し、これまでの企業年金部会における議論を整理した。議論を通じて概ね意見が一致し見直しを行うものと、今後の検討課題とするものを分けて整理。部会長である山崎泰彦氏(神奈川県立保健福祉大学名誉教授)は、「公的年金が先細りとなり、企業年金の役割が高まっている。企業年金の普及・拡大に向けて資産形成についての国民的な議論が必要だ。労使や国などがそれぞれの立場を越えて、共通点を見出す努力をしていかなければならない」と、企業年金部会での議論の意義について総括した。

 概ね意見が一致し、見直しを行うものは、(1)中小企業向けの取り組みについて、「受託保証型DBの手続きの緩和等」、「DCの投資教育について共同実施」、「簡易型DC制度の創設」、「個人型DCへの小規模事業主掛金納付制度の創設」。(2)「柔軟で弾力的な給付設計」、(3)ライフコース多様化への対応として、「個人型DCの加入対象拡大(第3号被保険者、企業年金加入者・公務員共済等加入者の加入)」、「制度(DB、DC、中小企業退職金共済制度等)間のポータビリティの拡充」。

 (4)確定拠出年金の運用改善の促進について、「DC法上の継続投資教育について事業主の努力義務化」、「投資教育全体の内容の見直しや継続投資教育の内容に係る基準の明確化」、「運用商品提供数の見直し促進(一定の範囲内に抑制、実効性のある商品除外規定の整備)」、「商品提供は分散投資に資するリスク・リターン特性の異なる商品の提供(1つ以上の元本確保型商品の提供義務は外す)」、「デフォルト商品に関する規定の整備」。

 (5)企業年金のガバナンスについて、「資産運用委員会の設置を促す」、「DBの資産運用ルールの見直し(厚生年金基金の資産運用ルールを参考に)」、「DBの資産運用利回りを年1回以上開示」。(6)その他として、「DCの拠出期間規制の年単位化」、「個人型DCの普及・促進を図るために広報の充実」など。

 一方、継続して検討していく課題として、「企業年金(DB・DC)の拠出限度額、中途引出し、加入可能年齢、支給開始年齢、および、給付方法等の拠出時・給付時の仕組みのあり方」、「企業年金制度等に関する税制のあり方(拠出時非課税、運用時は積立金に対する特別法人税=現在は課税凍結状態、給付時は公的年金等控除が適用という現状。特別法人税の早期撤廃とともに、制度に関する課税関係の見直し)」など。

 山崎部会長は、今後の継続検討を進めるにあたって、委員からの意見も踏まえて「企業年金は公的年金を補完するものであるが、公的年金に代わるものではない。多くの中小企業や非正規雇用の労働者など、今後企業年金の普及・拡大を図ってもカバーできない人々に対しては、公的年金が本来担ってきた老後の生活資金として一定の水準を確保してカバーすべきだ。また、欧米での先行事例は参考にはなるが、退職金の一部に企業年金も位置づけてきた日本的なものへの気配りも忘れてはならない」という姿勢を示した。

 事務局の厚労省年金局からは、社会保障審議会年金部会から「企業年金」を専門に議論する場として「企業年金部会」を設置し、私的研究会等で行われてきた企業年金に係る議論を公開の場で続け、しかも、幅広く活発な議論が行われたことを「わが国の企業年金制度の歴史の中で画期的なこと」と高く評価した。また、1月14日に閣議決定された「平成27年度税制改正大綱」に確定拠出年金法等の改正を前提に提出した税制改正要望が、ほぼ全面的に採用されたという報告があった。

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