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第30回年金部会、GPIFのガバナンス体制は理事会による合議制へ

2015-01-26

 第30回社会保障審議会年金部会が2015年1月23日に開催された。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のガバナンスに関して「年金積立金の管理運用に係る法人のガバナンスの在り方検討作業班報告」が行われた。同作業部会は、昨年10月にGPIFの基本ポートフォリオの大幅な変更を機に、望ましいガバナンスの在り方を検討してきた。GPIFの今回のポートフォリオ変更は、「政府による株価対策(PKO)ではないか」という懸念も存在することを意識し、GPIFの独立性を確保するため望ましいガバナンス体制について議論した結果が報告された。

 作業班報告では、現行の理事長による独任制を改め、「理事会による合議制」に移行することが望ましいという点で一致を見たとされた。新しい組織として日銀の体制をイメージしている。政府との関係では、公的年金の財政検証のプロセスに基づいて、厚生労働大臣がGPIFに目標利回りと許容リスクを示し、その目標利回りを達成するに足る基本ポートフォリオを策定し、厚生労働大臣の承認を得るという方向でおおむね一致した。ただ、理事会の役割と構成メンバーについては、意見が分かれ、作業部会としての結論を先送りしている。

 理事会の基本機能は、政府により示される目標利回りを最低限のリスクで達成するため、(1)「基本ポートフォリオ」の策定、(2)執行部幹部の任命、および、執行全体の監督・監視、(3)運用方針、運用結果についての説明責任、(4)給与を含めた予算の策定等――という点では、作業部会で方向性としては一致したという。しかし、海外の年金基金等にみられるような「投資委員会」、「リスク管理委員会」、「コンプライアンス委員会」など複数の委員会等を活用すべきだという意見もある一方、その委員会の位置づけが理事会の権限を一部委譲したものになるのか、補助的な機能にとどまるのか、あるいは、委員会の数などについては、議論が分かれて煮詰まらなかった。

 一方、理事会の構成メンバーについても、議論が分かれ、資産運用について専門的な知識を持ったもので構成すべきという意見と、理事会は多様な知識・経験をもつ人材から構成されるべきで労使の代表なども複数加えるべきなど、様々な意見が出たという。

 また、理事会と執行部の兼任の問題も、執行部メンバーは理事会メンバーにはなれないという案から、執行部の長(CEO)は理事会のメンバーになるべき、あるいは、執行部のメンバーが複数は理事会のメンバーになるべきなど、意見が分かれた。

 この報告に対して、年金部会ではおおむね了承されたものの、新設する理事会のメンバー構成等の作業部会で意見が分かれている部分については、引き続き年金部会でも議論していきたいという意向が表明された。

 また、昨年10月の基本ポートフォリオの変更によって、運用リスクがどの程度の水準になっているのかについて、具体的な説明を求める意見が年金部会の委員から相次いで起こり、今後の年金部会で説明の機会を設けることが事務局より表明された。

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