DCニュース

 

りそな銀行、「年金のりそな」の特徴を発揮しグループ600カ店の利便性を活かす

2015-04-30

株式会社りそな銀行
信託ビジネス部
アドバイザー
伊藤嘉一氏

 信託兼営が認められる唯一の都市銀行として長らく年金業務に携わってきたりそな銀行は、確定拠出年金(DC)の分野でも「りそならしさ」を発揮し、「リテールNo.1」に相応しいサービス内容を構築している。りそな銀行の信託ビジネス部アドバイザーの伊藤嘉一氏は、「改正確定拠出年金法は、日本の確定拠出年金の大転換を促す」と語り、改正法施行後のDC市場に備えた準備を進めているという。伊藤氏に、個人型DCについての取り組みの現状と展望を聞いた。

今年4月15日にホームページにある個人型DCの掲載内容をリニューアルされていますが、その狙いは?

 “りそならしさ"を出していこうというのがリニューアルにあたって、一番強く意識したことです。りそなグループ(りそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行)として全国で約600カ店(有人店舗)を通じて個人型DCの加入申し込みについても対応しています。インターネットやコールセンターのみに対応窓口を絞っているところもありますが、“りそなは支店の窓口でも対応いたします"というメッセージを伝えたいと思いました。

 もちろん情報発信を行うにあたっては、各支店のお客さまサービス部におけるお客さま対応や、店頭とDC専用コールセンターとの連携体制を整備し、定着化を図りました。

 「リテールNo.1」銀行を標榜する当社にあっては、個人型DC、また、中堅・中小企業向けのDCサービスは、今後ますます重要なサービスになっていくことは間違いありません。個人型DCの加入可能範囲の拡大、また、従業員100人以下の企業においては従業員の個人型DCに企業がマッチング拠出できる制度が創設される見通しなど、これからDC制度に大きな変化が考えられますが、その際においても「りそなに相談しよう」と思っていただけるよう、積極的な情報発信を行っていきたいと考えています。

リニューアルされた個人型DCのページでは、運用商品の信託報酬の低さを強調した内容が目立っています。この点を強調した意図は?

  DCは60歳まで積み立てた資金を引き出せない制度です。長期にわたる資産運用を行うことになりますが、その際に毎年かかる運用コスト(信託報酬)は、運用成果に大きく係ってきます。長期に運用し、資産額が積み上がるほどに影響は大きくなるので、信託報酬は少しでも低い方が良いのです。これは、りそな銀行が50年以上の長きにわたって企業年金の運用を行ってきた経験なども踏まえ、“年金運用の常識"といっても良いと思うくらいに身に染みた考え方です。

  一般口座で投資信託を購入される場合ももちろんですが、特にDCの運用においては信託報酬についてもチェックして商品を選んでいただきたいというメッセージをしっかり伝えたいと思いました。実際に、「DC専用ファンド」には信託報酬を低く設定したファンドが多くあります。このことも、個人型DCを使った資産形成のメリットのひとつです。

御社の個人型DCのサービスのポイントは?

 まず、加入者向けのWebサイトをユーザーにとって圧倒的に使いやすいものとすべく、昨年9月に全面更改しました。従来のサイトは、内容は盛りだくさんなのですが、各コンテンツの導線の付け方などがユーザーの自然な動き方とは違うところがあったようです。このため、専門のコンサルタントを導入し、多くのユーザーの方々にもご協力いただいて実際に使用してもらうことで、使いやすさを徹底的に検証しながら、全面リニューアルを致しました。その結果、リニューアル後のサイトの利用頻度は大幅に向上し、月によっては利用頻度が4倍以上に向上したものもあります。

 また、情報提供についても大幅にサービスを向上させています。従来の定期レポートを刷新し、発行回数も年4回に増やした「りそな確定拠出年金定期便」は、ライフステージに応じた資産運用の考え方を分かりやすく解説するシリーズやマーケット・経済動向を掲載しています。もともと企業向けDCの継続投資教育ツールのひとつですが、これを個人型DCに加入されている方にも提供しています。また、加入者ごとの運用状況をご報告する「個人向け運用状況レポート」を年2回発行していますが、ご自身の運用状況と合わせて、プラン全体の運用状況や運用利回りなどを表示し、比較検討できるようにしています。これらレポートは、加入者向けのサイトで閲覧できます。

 さらに、商品ラインアップについては、信託報酬に着目した品ぞろえとしています。中でも「信託のチカラ」シリーズは、りそな銀行が企業年金の合同運用で培ってきたノウハウを活かした商品です。販売・運用・資産管理の全てをりそなグループで担当しているため、信託報酬を低く抑えることが可能になっています。「りそなDC信託のチカラ 日本の株式インデックス」は信託報酬が年0.18%(税抜)、「りそなDC信託のチカラ 日本の債券インデックスファンド」が同0.15%などです。その他にも「ダイワ・ライフ・バランス 30」(大和投資信託委託)が同0.18%など、運用コストにこだわって選択した運用商品を中心に24商品(うち元本確保型2商品)を揃えました。

個人型DCでは投資や資産運用については自ら学ぶことが基本となっていますが、この点で何か工夫されていることは?

 継続投資教育という点では、Webを通じた情報提供が中心になりますから、さきほど紹介しました加入者向けWebサイトの使い勝手を良くし、リピーターを増やすことに注力し、各種レポートやeラーニングを活用して、金融リテラシーの向上にお役に立てるコンテンツを揃えています。また、希望者にはメールマガジン(月1回)を発行し、そこでもタイムリーな話題に絡めて分かりやすく資産運用につながる話題を提供しています。

 また、加入者向けサイトでは、ライフプランをサポートする情報も提供しており、希望するお客さまには銀行の各支店で行っている各種セミナーの開催情報のページに連携することもできます。

今後、個人向けDCについてのサービスは、どのように発展させていく計画ですか?

 現在、国会に提出されている確定拠出年金法の改正案が成立すれば、2017年1月以降に、専業主婦の方々や公務員の方、また、企業年金に加入している方にも個人型DCの加入資格が得られることになります。法改正はDC制度の大きな転換点になるでしょう。実際に加入資格が拡大されるのは、2年ほど先のことになりますが、「リテールNo.1」をめざし、また、「年金のりそな」として年金分野での強みを自負している当社としては、個人型DCの分野でリーダーシップを発揮できるよう、積極的な情報発信を行っていきたいと思っています。

 特に、大阪府や埼玉県の指定金融機関を務めている関係もあり、地方公共団体に務めておられる方々へのサービス提供は、引き続きメインのサービス提供機関としてご利用いただきたいと考えています。この面でのサービスメニューの開発も鋭意取り組んでいるところです。

 また、現在、厚生年金基金の解散の動きが活発になり、企業年金の分野でもDCを活用した自助努力型の資産形成が求められるようになっています。その中で、個人型DCについて企業がマッチングで拠出する制度が創設され、自ら企業年金制度をつくるよりも割安なコストで従業員の福利厚生を充実させることができるようになります。この分野でも中小企業との取引の実績が大きい当社の特徴を活かした提案を開発していきます。

 今後、自助努力による老後のための資産形成が求められる中、個人型DCは大変魅力的な制度です。このメリットを多くの方々に十分に活用していただけるよう、運営管理機関として制度の周知に努めていきたいと思います。

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