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グリー、従業員拠出型のDC制度導入で社員の約4割が制度を活用

2015-10-22

グリー
人事企画部長
千原啓氏

 グリーは2015年4月に確定拠出年金(DC)を導入した。加入は自由な制度として導入したものの、同制度の対象となる約1000人の従業員のうち約40%が加入したという。同社は2004年12月設立で、従業員の平均年齢も約32歳と若い会社。同程度の歴史の企業では、社員の福利厚生制度は、朝食や昼食等の補助(社員食堂の無料化など)などが中心というところが少なくない。同社人事企画部長の千原啓氏(写真)に、制度導入の狙いとDC制度の概要について聞いた。

DC制度を導入するきっかけは?

 会社として働きやすい職場をつくるため、人事・福利厚生に関わる意見を社員から広く求める中で、社員の中から確定拠出年金制度を入れてほしいという声が上がってきたため、制度導入の検討を始めました。

 当社には確定給付年金や退職金制度がありません。福利厚生制度としては、たとえば、本社のある六本木の近隣に住まう際には住宅費の一部を補助する「近隣住宅手当」、昼食時の弁当代の一部負担、モバイル機器の購入代金の一部補助など、より働きやすい環境で仕事に取り組んでもらうための制度が中心でした。介護や育児に伴い特別休暇取得や在宅勤務が可能となる制度なども整えてきました。

 そうした中で、DC制度を考えると、社員の老後の資産作りは、若い頃から始めた方が良く、また、老後の資産形成のために社会保険や税務上の利点があるため、制度導入を決定しました。ただ、社員各個人が公平に加入/非加入の判断をできるように、加入により会社から金銭的な補助を支給するような制度設計にはしておりません。

具体的な制度の概要は?

 今年4月に導入したDC制度では、会社からの拠出はありません。制度に加入している社員については、掛金は社員が給与の中から拠出します。制度への加入は自由です。掛け金の上限は月額5.5万円になります。

 掛金には6つのコースがあって、月額で「1000円」「1万円」「2万円」「3万円」「4万円」「5.5万円」の中から選択します。運用商品数は21商品。うち、元本確保型の商品は5商品です。

会社からの拠出がないという中で、従業員の4割が加入したというのは、それだけ「年金」への需要が強かったということでしょうか?

 当社の社員の平均年齢は約32歳です。社員の多くを占める20代後半から30代前半という年齢は、結婚し、最初の子どもが産まれる年齢層に重なります。自然と家族や将来のことを考える年代になっているということも、DC制度に加入する動機になったと思います。

 また、制度導入時の社員研修は、運営管理機関の野村證券にお願いしたのですが、その研修において、公的な社会保障制度の現状や将来見通し、また、老後のための資産形成の大切さ、DC制度の税制メリットなどの話をしてもらいました。金融商品や資産運用に親しみを持たない社員が多かったにもかかわらず、研修に参加した社員からは「大変勉強になった」との声が多くありました。この研修をきっかけに、DCに加入しようと判断した社員も少なくなかったと思います。

 2000年以降に誕生したIT系の企業の多くは退職金制度がなく、自分の老後のことは、個々人の意識しだいというところがあります。そういった会社で働く社員にとって、DC制度の活用は、将来の資産形成において有効な手段の一つであると考えています。

拠出金は6コースあるということですが、主にどのコースが利用されていますか?

 拠出金のコースはそれぞれ約15%程度ずつでばらけていますが、その中で「5.5万円」コースがやや多くなっています。DCへの拠出金は全額が所得控除の対象となり、社会保険料や所得税や住民税等の軽減につながりますので、将来の貯えをつくっていくことに魅力を感じた社員が少なくないと思います。

 また、会社型の制度にすることで、個人型で必要になる口座管理費は会社負担になるメリットもあります。

今後の展望は?

 会社としては、社員が安心して長く働くことができる環境の整備を進めたいと思っています。DC制度は、将来的な資産形成の観点から社員にとっても利用価値の高い制度だと感じています。

 DC制度を含め人事制度全般にわたり、各社員が働きやすく働きがいを高められるような制度設計および会社環境の整備を進めていきたいと考えています。

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