DCニュース

 

J-PEC「人生ゲーム 確定拠出年金編」、ゲームでDCを考えるきっかけづくり

2015-11-18

J-PEC
企画総務部長 今井潤氏(右)
DC開発部リーダー 松本徹氏(左)

 ジャパン・ペンション・ナビゲーター(J-PEC)は2015年9月29日にスマートフォンのAndroid版ゲームアプリ「人生ゲーム 確定拠出年金編」の提供を開始。10月9日にはiPhone版もリリースした。タカラトミーとタイアップして制作したゲームは、「人生ゲーム」と同様のゲームの進行に合わせて遊びながら、「確定拠出年金(DC)」を身近に感じ、老後の資金準備に向けて関心を高めることをめざしている。同アプリの内容と、今後のアプリの活用方法について同社企画総務部長の今井潤氏(写真:右)と、DC開発部リーダーの松本徹氏(写真:左)に聞いた。

「人生ゲーム 確定拠出年金編」の開発のきっかけは?

松本 そもそもDC市場では、制度加入者の中でDC制度について「他人ごと」と考えている「無関心層」が一定水準で存在することが課題として挙げられます。特に企業型のDCは、資産運用を加入者の責任で行うことが期待されています。このため、投資教育の実施は、事業主の努力義務として規定され、弊社をはじめ運営管理機関は「無関心層を作らない」ことをめざした様々な取り組みを実施しています。

 たとえば、当社の実績で年代別に資産配分状況をみてみます。元本確保型商品での運用比率をくらべると、20代の方々が60%と、世代別で最も運用比率が高くなっています。また、「元本確保型のみの選択者の割合」を調べても20代が47%と最も高く、50代の40%をも上回っています。

 さらに、加入者専用サイトの利用状況も、20代は他の世代と比較して低い結果になっています。このように、「ジブンごと」として考えて期待リターンの高まるポートフォリオをとれる若い世代ほど、DC制度の運用に主体的に関わっていない傾向があります。この若い世代にDCの運用にチャレンジしてもらうことは、大きな課題として意識してきました。

 これまでも、当社では加入者専用サイト「DCなび」を2012年に大幅リニューアルし、加入者の方々が使いやすいUI(ユーザ・インタフェース)を導入しました。また、「まじめでゆかい」のコンセプトのもと「掛金くん」というキャラクターを案内役として、DCをより身近に感じていただけるようにしています。

 加えて、若い世代に普及しつつあったスマートフォンを活用するために、2012年末にスマートフォンアプリ「GoGo! 掛金くん」(無料)をリリースしました。これは、クイズ形式でDC関連の知識を楽しく覚えていただくオリジナルアプリです。業界初の試みとしての取り組みとして一定の評価をうけました。ただし、「他人ごと」な方にむけてDCに興味をもっていただくという点を次の課題として認識していました。

 このような試みを続けているところへ、タカラトミー様より「人生ゲーム」を使ったゲームアプリの提案をいただきました。「人生ゲーム」の抜群の知名度に加え「人の一生」と「それにまつわるお金」という「DC」との親和性の高さを考えて採用に踏み切りました。

今井 実際問題として、「人生ゲーム」だからこそ検討が可能だったと思います。ゲームを使ってアプローチするというと若い方々を中心に考えがちですが、DC制度は幅広い加入者がいます。しかも、運用に関する知識は年齢に応じて高くなっているものでもありません。若い方からシニア層まで、幅広い方々にアピールできるという点で、「人生ゲーム」の高い認知度は魅力があると思いました。

 さらに、ルーレットを回して出た目によって、山あり谷ありのイベントを経験するというのは、まさしく不確実性のある「人生」を体験することに通じます。この行程で様々な体験を重ねていただくことは、DCを考える上でも有益だと直感しました。

具体的なゲームの内容は?

松本 一言でいえば、「めざせハッピーリタイヤメント」。ゴールで、老後の資産をいくら貯められるかを競うゲームです。

 遊び方は、ボードゲームの「人生ゲーム」と同じで、ルーレットを回して、ゴールをめざしてコマを進めていきます。特徴としては、スタート地点は、「DCなび株式会社」に就職したばかりの新入社員です。そこから、ゴールである60歳までに老後の資産を一番多く準備できた人が勝者です。

 たとえば、「積立日」というマスを通過するごと、積立日に5つのタイプの資産を購入し積み立てていきます。また、人生の岐路として「ルーレットの出た目で景気が変わる」、「ルーレットの出た目で昇進・転職し積み立てる資産のタイプが変わる」というイベントを楽しめます。すこし辛口な人生となった場合でも、そこで起こり得る様々な出来事を体験することも、ボードゲームの「人生ゲーム」と同じです。

 また、1回のゲームを終了すると「転生」することができます。この新しい人生で、違った人生(景気変動や昇進転職)経験ができます。さまざまなシチュエーションで資産運用の結果を競いあうことにより、DCを身近に感じていただき、老後の資金準備に向けて関心を高めることをめざしています。

米国では「ゲーミフィケーション(Gamification)」という言葉もあり、DCの投資教育においても、ゲームを使った投資教育がひとつの流れとなっています。今回、「人生ゲーム 確定拠出年金編」を制作なさって、ゲームだからこそのメリットを感じた点は?

松本 一つにはゲームを通じて60歳までの長い期間を凝縮して意識してもらえることです。一般に、若い方々に、60歳になった自分をイメージしていただくことは難しいのですが、ゲームであれば人生を1回限りでなく繰り返し体験することができることがメリットです。

 また、「離婚」や「リストラ」などのマイナス情報についても、話のネタとして人にも話やすく、DCの話題として受け入れやすくなります。たとえば、離婚した時、DCの資産は、夫婦の間で分割されるのか? といったような知識も、面白楽しく伝えることが可能になります。

今後、「人生ゲーム 確定拠出年金編」を企業の投資教育等に活かしていく考えは?

今井  「人生ゲーム 確定拠出年金編」は、一般的に求められる「投資教育」とは、似て非なるところがあると思います。このゲームの位置付けは、あくまでもDCに関心をもっていただくためのきっかけを提供するツールです。このため、スマートフォンで一般に公開した無料アプリとして提供し、幅広い方々に遊んでいただきたいと考えています。

 一方で、このゲームをリリースしたことで、企業様より投資教育の中で、「人生ゲーム」を取り入れることができないだろうか、というお問い合わせもいただいています。投資教育セミナーに、「人生ゲーム 確定拠出年金編」のコンテンツの一部を活用することなど、検討を進めています。

松本  「人生ゲーム 確定拠出年金編」はリリースしたばかりです。まず、弊社のご加入者の方へ知っていただける取組みをしております。このゲームを知り、遊ぶことで、これまでご自身の資産残高を把握していない加入者の方にDCに興味をもっていただきたい。さらに、「ジブンごと」として老後の資産形成への取り組みへつなげていただきたいと考えております。

 加えて、新たにオウンドメディアとしてスマートフォンサイト「掛金くんと考える、お金の話」をオープンしました。今後、このサイトの中でも「人生ゲーム 確定拠出年金編」の解説記事を掲載していきます。このサイト、そして、「人生ゲーム 確定拠出年金編」は、どなたでもご利用できるコンテンツとして、DCが気になる一般の方にも、ぜひ遊んでいただきたい。そして、老後のための資産づくりを「ジブンごと」と考えてつぎの一歩を踏み出していだきたいと考えています。今後も、みなさんの老後の安心にむけてDC制度の活用を紹介していきます。

バックナンバー

2014 | 2015 | 2016 | 2017