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企業年金連合会がDC担当者向け研修、DC法改正の議論が進みDC制度運営への関心が一段と高まる

2015-12-17

 企業年金連合会は2015年12月11日、東京・芝公園の連合会会議室で第2回DCステップアップ研修を実施した。10:00~17:00で開催された研修会では、連合会による「DC制度における制度運営責任」の講演に始まり、モーニングスターの調査分析部ファンド分析室マネージャーの坂本浩明による「投信市場の動向と投信評価の方法」、厚生労働省年金局企業年金国民年金基金課確定拠出年金指導係係長の白山裕久氏による「DCに係る現状と課題」、そして、大崎電気工業株式会社総務部総務課担当課長である山田徹氏による「現場からのアドバイス」が続く、中味の濃い内容になった。

 モーニングスターの坂本による講演は、国内公募投信市場とDC専用ファンドを比較し、データを用いながらDC市場の特性を解説した。国内投信市場では「アクティブ型」や「毎月分配」のファンドが純資産額(2015年10月末)トップ10を席巻していることと比較し、DC専用ファンドの純資産額トップ10は、「パッシブ型」のバランスファンドで「年1回決算」のファンドが占めるという際立った違いが紹介された。また、運用に係るコスト(信託報酬等)の比較で、「アクティブ」の方が「パッシブ」より高い、「国内投信」の平均は「DC専用ファンド」の平均より高いなどの傾向が示され、「ファンドのパフォーマンスの将来を正確に予測することはできないが、コストは確実に把握できる」として、ファンド選びの基本としてコストの把握を促した。

 そして、ファンド評価については、「数値で把握できる『定量評価』と、数値では把握できずに運用会社へのインタビューなどを通じて把握する『定性評価』という2つの評価軸がある。定量評価は過去のパフォーマンスに基づくものだが、定性評価は今後のパフォーマンスを予測する上で重要であり、両面から評価していくことが重要」との解説があった。

 また、ファンドの評価は、同じカテゴリーに属するファンド間で比較することが重要であり、「たとえば、同じ国内株式型ファンドであっても、『大型バリュー』と『小型グロース』ではパフォーマンスが大きく異なる。同じカテゴリーに属するファンドを比較しないと運用の優劣は判断できない」として、モーニングスターの具体的なレーティングの事例を用いてファンド分析の方法について解説した。

 最後に、大崎電気工業の山田氏は、DCの継続投資教育について「毎年実施するように自己ノルマを課して実施するようにしている」として、2007年4月のDC制度導入以来、ほぼ年1回ペースで実施した「年金説明会」の内容について振り返った。「毎年開催することによって、当初は運営管理機関にまかせっきりだったセミナーの運営について、社内にノウハウも蓄積し、積極的にセミナー内容等について意見を述べたり、小規模なセミナーであれば社内で講師を務めることも可能になってきた」と成長を語った。

 そして、毎月1回は運営管理機関と1時間程度の定例ミーティングを開催するようにして、制度の現状把握と次回セミナーの内容等について定期的に情報交換を行うようにしているという。「現実問題としてDC単独のテーマで毎年集合研修を開催することは無理がある。そのため、『年金説明会』と名づけて公的年金、DB、厚生年金基金も含めた年金制度全般の理解に役立つ内容にしている。ただ、集合研修の限界も感じている。たとえば、夫婦(配偶者扶養)と子ども2人世帯のライフプランを考えようとすると、その条件にあてはまる従業員は当社の30代社員では16%に過ぎない。典型的な世帯がなくなっている。できるだけ、『自分ごと』として将来を考えるきっかけになるよう、セミナーで取り上げる内容を絞っていくのは苦労している」と語っていた。

 企業年金連合会では、DCの企業担当者向けのセミナーを各種開催している。「DC基本研修」、「DC継続教育(投資教育)研修」、「DCステップアップ研修」、「確定拠出年金管理士研修」などの集合研修を定期的に実施する他、個別の企業相談に応じている。

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