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第17回企業年金部会、神野・東大名誉教授を部会長とする新体制がスタート

2016-04-28

 社会保障審議会企業年金部会(第17回)が4月28日に開催された。企業年金の今後のあり方について有識者が議論する場で、同部会での議論は2015年9月11日以来、約7カ月ぶり。議題は、「確定給付企業年金(DB)の改善について」。厚労省年金局長の鈴木俊彦氏は、「公的年金を補完する私的年金としての企業年金の役割は大きくなっている」として、企業年金部会における議論に期待した。なお、委員の退任に伴って、新たな部会長に神野直彦氏(東京大学名誉教授)が就任し、部会長代理には引き続き森戸英幸氏(慶應義塾大学大学院法務研究科教授)が就いて、議論がスタートした。(写真は、企業年金部会の議論のスタートにあたって挨拶に立った鈴木年金局長)

 議題になった「確定給付企業年金の改善について」では、財政悪化を想定した「リスク対応掛金」の導入と、「リスク分担型DB」の基本的な仕組みについて事務局の案が示された。この「リスク分担型DB」は、現状のDBの仕組みが、不況期に積み立て不足が生じるために企業側の拠出が増加する(不況による業績悪化に加えて、年金負担増によって一段と企業業績を圧迫する)というデメリットの緩和を図るもの。

 2016年度政府税制改正大綱で認められた「リスク対応掛金」を使って、「将来発生するリスク」に対応した掛金を上乗せして拠出できる仕組みを入れることで、拠出を一定程度平準的なものにすることをめざす。事務局が示した案では、「20年程度に一度の損失の発生する場合」に備えたリスクを想定するとした。リスク対応掛金の拠出は、5~20年で拠出することを想定している。

 また、「リスク分担型DB」は、事業主がリスク分担掛金の拠出を行う仕組みを活用し、将来発生するリスクを労使でどのように分担するかを、あらかじめ労使合意で決めておくことができる仕組みのDB。毎年度の決算において、財政に剰余が生じた場合は給付を増額し、反対に、財政に不足が発生した場合には給付が減額する仕組み。委員の間からは、「給付減額があり得る仕組みは、もはや、DB(確定給付年金)とはいえないので、DBという呼称を使うべきではない」という意見も出た一方、「企業年金の新しい選択肢が増えることは歓迎したい」という意見もあった。

 次に、「確定給付企業年金のガバナンスについて」の議論があった。基本的に企業年金部会の議論を通じて、ガバナンスを強化する方針が打ち出されているが、会計監査に関して公認会計士の活用、また、資産運用委員会の設置など、ガバナンスの強化を進めると、企業年金運営のコスト負担増につながる。このコストと健全運営の確保のバランスを考えながら議論が進められる方向性がうかがえた。

 なお、企業年金部会においては、現在、国会で審議がつづいている改正確定拠出年金法の政省令に関わる課題についても随時、議題として取り上げることが確認された。

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