DCニュース

 

個人型DC加入拡大に万全の備えで臨む、より積極的に情報発信=国民年金基金連合会

2016-06-17
国民年金基金連合会
審議役 確定拠出年金部長
中井川誠氏

 個人型DC(確定拠出年金)の実施主体である国民年金基金連合会(国基連)は、成立した改正DC法の施行によって大きな役割を担うことが期待されている。今回の改正は制度発足以来(2001年10月に法施行)の大改正となり、国基連は個人型DCの普及に関する広報宣伝業務を新たに担うことになった。国基連の審議役確定拠出年金部長の中井川誠氏に、現在の個人型DC制度の現状と改正DC法への対応について聞いた。

2016年3月末までの過去1年間で、個人型DC制度の加入者数は21%増と、これまでになく高い伸び率になりました。この背景は?

 加入者数21%増の内訳をみると、第1号加入者(第1号被保険者)が11.8%増、第2号加入者が24.8%増となっています。会社員の方々の間で個人型DC制度への関心が、これまで以上に高まっていることが見てとれると思います。

 加入者が大きく伸びたのは、今回のDC法の改正によって、個人型DCに関してマスメディアで取り上げられる機会が増え、認知度が高まってきていることがあると思います。一部の運営管理機関の間で個人型DCの運用商品の見直しや情報提供の活発化など、前向きな動きが出てきていることでも後押しされています。

 また、ここ数年は、日本の株高が続いたことなど、資産運用環境が好転したという追い風もありました。過去も、運用環境が良い時期には加入が拡大するという傾向があったため、今回の加入者増には運用環境の後押しという部分もあったと思います。

 なお、掛金額の状況は、第1号加入者の平均が月額2万4763円(2015年3月末=2万3739円)、第2号加入者は1万4821円(同1万4485円)と、それぞれ微増しました。ここ数年は傾向的に平均掛金額が増額する方向にあります。

資産運用の状況は?

 3月末現在で、元本確保型商品での運用比率は65.1%になっています。このうち、毎月の拠出金のない運用指図者を除き、加入者に限定すると55.2%です。リーマンショック後の2008年度末の状況は、元本確保型比率が74.8%で、うち加入者は66.8%でしたから、当時と比較すると11%ポイント程度は元本確保型商品での運用比率は減っています。

 大きな市況変動があって、一般的にリスクを取りたくないと考えられる時には、元本確保型商品の投資比率が高まる傾向にあります。リーマンショック後は、その傾向がもっとも顕著に表れた時期といえ、その後、徐々に元本確保型商品で運用する比率は低下してきました。また、近年に加入された方々の方が、投信などの運用商品を使って運用しようという意欲の強い方が目立つような印象を持っています。

確定拠出年金法が改正されたことによる、今後の個人型DC制度拡大への期待は?

 今回の改正によって個人型DCは、20歳以上60歳未満のすべての国民が加入可能になりました。第3号被保険者や公務員、また、企業型年金制度がある会社の従業員も含め、新たに2000万人以上が対象者として増えることになりますが、そのことよりも国民の全てが対象になったことの意味合いが大きいと思っています。自助努力で年金資産を作っていく手段として、個人型DCが中心になるということが明確になったと思うのです。

 個人型DC制度は、企業型とは違って、加入者が運営管理機関を選ぶことができる制度です。取扱い金融機関によって、運用商品をはじめ、サービスの内容が異なるということを知っていただき、この自ら選ぶことができることをメリットとして制度を活用していただきたい。そのために制度の内容を知ってもらうことが重要になります。知っていただくことによって、制度の利用者は自ずと拡大すると期待しています。

 今回の法改正で、国基連は新たな業務として個人型DC制度の普及のための広報活動を担っていくことになりました。これまで以上に、周知・啓発活動については積極的に取り組んでいかなければならないと思っています。

社会保障審議会企業年金部会において、個人型DCの普及活動については、国基連と厚労省、そして、学識経験者や利用者の代表、民間団体などが加わった「DC普及・推進協議会(仮称)」を7月にも発足させ、「個人型DC」の愛称やロゴマークなどを公募・決定し、9月以降に周知・広報活動を本格化させるというスケジュール案が示されました。国基連として、これから取り組んでいくことは?

 普及活動については、NISAが開始された時のように、関係機関が幅広く連携して取り組むことが大事です。宣伝活動の一環として、セミナーやイベントの開催も全国展開することになると思いますが、イベント等を通じて個人型DC制度の内容が加入者に届くように、関係機関と連携する仕組みを作っていくことが大事だと考えています。

 また、加入にあたっての事務手続きについても、抜本的に見直します。加入対象者が大きく広がることによって、加入申し込み件数がどの程度増えるのか読みにくいところですが、加入者の受付、そして、管理を行うシステム構築も進めます。1月1日を万全の体制で迎えられるようにします。

 普及を後押しする上では、個人型DCの現状についての情報発信も重要になると思っています。たとえば、運用の状況については、元本確保型が何%を占めるという情報にとどまっていたのですが、今後は、投信の運用の中味について、内外の株式や債券への投資比率がどのようになっているのかなど、情報を把握して一般に公開していくこともやっていきたいと考えています。個人型DCについての情報を充実させることが、普及の後押しにもつながると考え、これまで以上の情報発信ができるよう体制作りも進めたいと思っています。

バックナンバー

2014 | 2015 | 2016 | 2017