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年金運用のノウハウを活かしたリスクコントロール型商品に特長=ニッセイアセットマネジメント

2016-06-24
ニッセイアセットマネジメント
法人企画部
部長
堤保之氏

 確定拠出年金(DC)法の改正案が成立し、2017年1月からは新しいルールでの制度運用が始まる。多くの国民にDC制度を使って老後の資産を積み立ててほしいという改正法の趣旨を受け、DC制度の関連機関は改正法への対応に力を入れている。ニッセイアセットマネジメント 法人企画部 部長の堤保之氏に、同社のDC制度への対応と改正法への期待について聞いた。

DC制度に提供しているファンドで、残高の大きなファンドの特徴は?

 当社がDC向けに提供している商品本数は27本です。商品本数は多い方ではないと思いますが、これは、DCが40年にわたる長期の運用を前提としている特性を踏まえ、過度にリスクが大きな商品は、積極的に提供していないことが背景にあります。

 たとえば、新興国株式で単一国に投資するファンドをDC向けに提供しているケースがありますが、高いリターンが期待できる反面、大幅に下落するリスクもあります。DCは投資経験が豊富ではない加入者も商品の選択と運用を迫られるものですので、その時のブームで大きな資金を投じて、予期せぬマイナスを被ってしまうと、老後の資金計画が大きく狂ってしまいます。もちろん、大きなリターンを期待する投資を否定するものではありませんが、そのような商品に投資したい方は、DC以外の一般口座やNISAで投資することもできます。老後の資産形成というDCの目的に照らして相応しい商品か、慎重に検討するようにしています。

 当社が提供している商品は、伝統4資産やリートに投資するインデックスファンドやTOPIXなどの指数よりも高いリターンをめざすアクティブファンド、それらに分散投資するバランス型のファンドなど、シンプルで分かりやすい商品を揃えています。

 その中で、もっとも大きな残高になっているのは、「ニッセイ日本株ファンド」(信託報酬:税抜年1.0%)で、660億円を超える資金をお預かりしています。日本株のアクティブ運用ファンドとして長期に安定的な運用成果を残していることを評価していただいた結果だと思います。

 この他にも、「DCニッセイ日本株グロースファンド」(同1.45%)、「ニッセイ健康応援ファンド」(同1.465%)など、アクティブ運用でベンチマークを上回る投資成果をコンスタントに残しているファンドに人気があります。

 パッシブ運用では、「ニッセイ日経225インデックスファンド」(同0.25%)を中心に、信託報酬を低く抑えたインデックスファンドを多く採用していただいています。「DCニッセイ外国株式インデックス」(同0.21%)、「DCニッセイ外国債券インデックス」(同0.21%)は、昨年新たに提供を開始しましたが、高い関心を得ており、残高が伸びています。

 一方、パッシブ運用を組み合わせたバランスファンドとして「DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)」(同0.18%)、「同(標準型)」(同0.20%)、「同(株式重視型)」(同0.22%)が、コア資産向けファンドとして残高が積み上がってきています。

 この中で、もっともリスクが低い「DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)」は、国内債券45%、国内短期資産5%を組み入れ、全体の50%を安定運用資産に投資しつつ、リスク資産には国内株式20%、外国株式10%、外国債券20%を配分します。このカテゴリのファンドの中では、海外資産に比較的多く配分するという特長があり、グローバル経済の成長を反映してパフォーマンスは好調です。また、信託報酬が年0.18%と低いことも、長期に運用するデフォルト商品として適した商品だと考えています。

改正DC法の下で新たに設けられるデフォルト商品として、「DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)」のほかに相応しいと考える商品は?

 リスクコントロール型のファンドとして提供している「DCニッセイ安定収益追求ファンド(愛称:みらいのミカタ)」(同0.65%)です。

 「みらいのミカタ」は、確定給付企業年金(DB)向けに開発した商品ですが、企業からDC向けにも提供してほしいという要請があったことを受け、2013年2月に提供を開始しました。国内債券やヘッジ付外債のインカム収益を主な収益源泉とし、債券と逆の値動きをする国内外の株式と外債を一部組入れて、安定的な運用をめざす低リスクのバランス型ファンドです。市場環境が悪化する場合は、ファンド全体のリスクを抑制し下落に備えます。

 もともと生命保険の運用業務を出発点としている当社の資産運用は、価格下落リスクを限定し、長期安定的な利回り確保をめざす運用で経験を重ねてきています。「みらいのミカタ」は、この生保運用のノウハウを詰め込んだ商品といえます。長期安定的なパフォーマンスをめざすという商品性は、デフォルト商品の性格に相応しいと考えます。

 また、ターゲット・イヤー型ファンドを7月末に設定する予定です。新設するターゲット・イヤー・ファンドは、若くてリスクをとれる期間は、比較的高いリスクをとって資産の成長をはかり、年齢が高くなるにしたがって、徐々に株式の割合を低減させます。退職間際には急速にリスクを落として資産保全に重きを置いた運用に切り替えるという特長があります。資産配分比率の調整には、ファイナンシャルテクノロジー運用室の運用者が年金運用で培ったクオンツ(定量分析)運用のノウハウを活用しています。

改正DC法の施行をめざして取り組んでいくことは?

 同じく7月末には、DC向けに「ニッセイJPX日経400アクティブファンド」を提供する予定です。当社では公募投信で3商品を運用し、合計残高が約4400億円になる人気ファンドです。株価指数としてのJPX日経インデックス400に対する投資家の認知は高まっていますが、同指数をベンチマークとするアクティブファンドとして、DC専用投信で第1号ファンドとなる見込みです。

 2017年1月からは、60歳以下の全成人が個人型DCの加入対象者になります。公募投信で個人の投資家に広く浸透している「ニッセイJPX日経400アクティブファンド」をDC向けに商品化することで、個人型DCの認知が高まることを期待しています。

 DCは老後の資産形成手段として、ますます重要な役割を担っていきます。当社は今後も、長期の資産運用という目的に適う商品を提供します。具体的には、シンプルで分かりやすく、かつ良好なパフォーマンスのアクティブファンド、信託報酬率を抑えたパッシブファンドを提供することによって、DC制度の発展に寄与していきたいと考えます。

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