DCニュース

 

オリックス、10年以上続くライフプランセミナーや個別相談に社内FPが対応

2016-07-20
オリックス
グループ人事部 FP
古川るり氏

 オリックスは確定拠出年金(DC)の運営において、FP(ファイナンシャルプランナー)資格を持った専任の担当者が、計画的に継続投資教育を企画・実施してきている。2004年7月にDC制度を導入した同社では、2005年以降、10年以上にわたって「ライフプランセミナー」を継続的に開催。セミナーの開催回数は通算150回、参加者は延べ6,000名を超える。「年金」、「税金」、「セカンドライフ」、「女性のためのライフプラン」など、様々なテーマで企画しているセミナーの中で、毎年「DC」に関するセミナーを組み入れて実施している。同社グループ人事部の古川るり氏に、DCの継続投資教育を中心にDC関連の取り組みについて聞いた。

企業年金制度に占めるDCの位置付けは?

 当社では2004年7月にDC制度を導入し、適格退職年金からDB(確定給付企業年金)とDCの2本立てになりました。DBもDCもそれぞれに前払いとの選択が可能ですので、人によって、DBとDCの比率が異なります。DCについては将来分からの導入になるため、導入前の期間が長い社員の場合は、退職時の企業年金の比率はDB:DCが9:1という人もいれば、DC制度導入後の新入社員で社歴が短い場合は5:5という人もいます。

 ただ、DBは昇格等によって配分率が高くなっていくことと比較して、DCは一律配分になっているため、DC制度導入後の社員で、DBとDCに同時加入すると、最終的にはDBの比率が大きくなる社員が増えていきます。

 DCの加入資格がある社員のDC加入率は、現在66%です。年2回、4月と10月に前払い選択者がDCに加入できるタイミングがあります。DCセミナーはこの転換機会に合わせて開催し、前払い選択者にもDC加入を検討してもらうきっかけになるように実施しています。DC加入率は、2013年には58%でしたが、2015年に60%に乗せるなど、徐々に高まってきました。

 DC制度の特徴は、前払い選択制であることに加え、運用商品数が全部で42本(うち、投信28本)と豊富なことがあげられます。国内外の株式や債券に投資するファンド、また、バランス型ファンドについて、アクティブ型・インデックス型でそれぞれ揃えています。2015年8月に投信を9本追加し、リート(不動産投信)、新興国の株式や債券、そして、コモディティに投資するファンドを加えました。マッチング拠出は導入していません。

継続投資教育は改正DC法によって、企業にとって「配慮義務」から「努力義務」になり、より重みが増しました。御社では10年以上にわたって毎年、継続教育を実施してきているということですが、継続実施するための工夫は?

 「教育」という視点での取り組みではなく、社員が「知っておくべきこと」をお知らせする機会と考えて取り組んでいます。「知って得する」はもちろん、「知らなくて損する」ことがないよう、様々なテーマでライフプランセミナーを企画・実行してきました。就業時間後に1時間、任意参加で実施していますが、2005年から現在までに通算で150回を開催し、延べ6,000名を超える社員が参加しました。

 セミナーは東京・大阪等の主要拠点で行っていますが、毎回全国の拠点で視聴できるようテレビ会議システムを使った中継や、開催内容を録画してイントラで公開するなどの工夫もしています。そして、「DC NEWS」を定期的に発行し、DCに関する“よくある質問”等ポイント解説もしています。

 また、セミナーとは別に、個別相談にも対応し、退職金・資産運用・年金・保険・税金・相続・住宅ローンなど、様々なテーマの相談に応じています。個別相談は面談の他、電話やメールでも相談に応じ、毎年100件前後の相談件数があるため、累計では1,000件近くになりました。

 DCについては、セミナーは「初級編」、「中級編」、「制度編」、「運用編」、「WEBの使い方編」、「お知らせの見方編」など、毎回テーマを設定して実施しています。昨年は新商品を追加したため「追加商品の内容紹介」を中心に実施しました。300名以上の申し込みがあり、5回に分けて開催した他、TV会議での中継とともに内容を録画して社内で公開しました。

 今年は、DC法改正事項とファンドの運用実績や運用コストの比較などをテーマにセミナーを開きました。たとえば、日本株のアクティブ運用のファンドと比較して、当社のDC制度に採用されている同種のファンドの運用成績が良いのか悪いのか、また、運用コストである信託報酬の水準はどうかなど、1本1本のファンドについてカテゴリーごとにデータを示して、客観的に比較して解説しました。昨年、商品数が大きく増えた後でしたので、参加者からは「商品を選ぶ参考になる」と好評でした。参加者は200名を超え、関心も高かったので、今回はDVDも作成し貸出をしています。

今年のセミナーの様子

今後、DC制度において、加入者の満足度を一段と高めるために取り組むことは?

 これまでの取り組みを継続していくことが大事だと思っています。DCセミナーは10年続けていますが、セミナー後のアンケートでは「定期的な開催を希望する」というコメントが必ず数件はあります。毎年、実施してきているにもかかわらず、社内での認知度は十分ではありません。また、DCの運用については、20代の80%以上、30代の60%以上が元本確保型のみの運用になっており、長期で運用できるメリットが定着していないことは課題として認識しています。

 今年は、DC制度の特徴や運用商品を説明するほか、オリックスグループ特有のメリットについても、あえてお話ししました。たとえば、DBとDCがそれぞれ選択制になっている選択肢の多さ、「DCの想定利回りはゼロ%」で運用によって積極的に増やさなくても十分な退職金になるよう拠出していること、また、通常DC加入者の運営管理費用は会社負担ですが、この会社負担は60才以降の運用指図者である間も継続することなどです。加えて、毎年、DCセミナーが開催され、必要に応じてFPの個別相談を、守秘義務のもと無料で受けられるということも、独自の取り組みといえます。

 お金の相談は、今は必要性を感じていなくても、結婚する・家を買う・子どもが生まれる・病気になった・相続が発生した・親の介護が必要になったなど、様々なライフイベントが起こった時、どこかで必要になることがあります。事前の知識として各種のライフプランセミナーに参加することもできますし、目の前に問題があれば個別相談をいつでも受けられます。このことがオリックスグループで働く安心感につながり、仕事に集中できる一助になればと思っています。

 人生100年時代を考えた時に、50歳で折り返し点です。65歳定年制になったため、定年までのキャリアプランを考える必要もありますが、定年後にも20年、30年という長い人生が待っています。定年後のセカンドライフを考える個別相談には、配偶者がいらっしゃる方にはご夫婦で来ていただくようお話ししていますが、まだ少数なので、今後は増やしていきたいと思います。行き当たりばったりの人生にならないように、20代~30代のうちから計画的な取り組みを意識することが大切です。このことを広く社内に周知したいと思っています。

 今後も定期的に「ライフプランセミナー」を開催し、「DC NEWS」、「個別相談」を続けていくことで、グループ社員一人ひとりのライフプランサポーターとして寄り添い、一緒に人生設計を考えていきたいと思います。

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