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三井住友銀行のiDeCo「SMBC個人型プラン」、メガバンク唯一の全店取扱いの強みを発揮

2016-09-30
三井住友銀行 古谷英司氏(左)
J-PEC 園田俊博氏

 三井住友銀行は9月1日から、個人型確定拠出年金(iDeCo)の新プラン「SMBC個人型プラン」の取扱いを開始した。従来は、グループ会社であるジャパン・ペンション・ナビゲーター(J-PEC)が設定した「J-PEC個人型プラン(SMBCコース)」を受付金融機関として取り扱ってきたが、新プランは自ら運営管理業務の一部を担うなど、確定拠出年金(DC)業務を強化している。新プランの取扱い開始について、三井住友銀行プライベート・アドバイザリー本部 職域取引事業部 部長 古谷英司氏と、J-PECのDC開発部長の園田俊博氏に聞いた。

新プラン「SMBC個人型プラン」の取扱いを開始した狙いは?

古谷氏 2017年1月から原則、現役世代の全ての国民がiDeCoに加入できるようになる。老後の資産形成手段として、より多くの方々がiDeCoを利用するようになることが期待され、その際には三井住友銀行が前面に立って安心感を届けたいと考えた。

 これまでの個人型DC制度は、企業型制度に加入していた方が転職等で、DC制度がない企業等に移る際の受け皿としての役割が大きかった。このため、企業型で実績のあるJ-PECのブランドは価値があったと考える。今後のiDeCoは、企業型を経ずに、直接加入を考える新しい制度に生まれ変わる。その変化を考えると、総合金融サービスを展開する三井住友銀行が前に出た方が良いという判断だ。

 また、旧プランは設立から年月も経過し、商品ラインアップの見直しも必要だと感じられた。近年の資産運用ニーズをくみ入れた新しい商品を揃えるという点でも、このタイミングでのリニューアルは必要なことだった。

新プランは全店窓口で取り扱っているが、ネットやコールセンターのみで取り扱う機関を除くと、最も低い手数料を設定している。

古谷氏 手数料水準については、DC法改正の議論の中でも引き下げが課題として取り上げられたことを承知している。利用者の方々には、コールセンターの対応可能時間や運用商品の信託報酬の水準も含めて総合的なサービス対価で評価していただきたいと考える。

 店頭窓口で制度説明を行うのは、お客さまのマネープラン全体をカバーできるアドバイザーが、DC制度についても説明できる体制が自然な形であるためだ。老後の資産形成の手段として、お客さまにとってはDCがベストの選択ではないケースもあると思う。保険商品の方がニーズに適っているケースもあるだろうし、老後の資産形成を考える前にローンの見直しを行った方がメリットが大きいということもある。トータルでアドバイスができるというメリットを発揮し、当行の窓口を選んでいただけるようにしていきたい。

新プランの運用商品数は16本。iDeCoの商品改訂を行っている機関では30本以上の品揃えをするところがあることと比較すると少ないが?

古谷氏 品揃えは、資産配分変動型のバランス型2本を用意し、主要な資産に低コストのインデックスファンドを品揃えした。たとえば、企業型DCなどを経験し、資産運用に慣れた方が、自分でポートフォリオを組みたいと考えた場合は、インデックスファンドを組み合わせて作っていただくことができる。資産運用が初めてで、運用について良く分からないという方には、市況に最適な資産配分比率にファンドが調節してくれるタイプのバランス型をご利用いただくことができる。

 iDeCoについては加入対象者が大きく広がったことで、関心が高まっている。公務員の方や専業主婦の方など、新たな加入対象になった方だけでなく、自営業者の方や企業年金制度のない会社にお勤めの会社員の方など従来の加入対象者の方々も、iDeCoを活用しようという機運がでてきている。非常に多くの運用ニーズを持った方々に対応できる商品性を確保する必要があるが、その必要最低限の品揃えはできている。

 現在、DC制度の品揃えには本数制限の議論がある。その際に低い水準に制限されたとしても困らないようにしたいとも考えた。品揃えを増やすことは簡単にできるため、制度変更やお客さまニーズに合わせたラインアップ拡充は、必要に応じて速やかに行っていく考えだ。

新プランの普及や活用を促す上でも重要視される投資教育などへの取り組みは?

古谷氏 店頭においては、ライフプランやマネープランについては担当者がトータルでアドバイスできるツールを用いて制度説明ができる体制にある。また、加入者の方々にはDC専門機関としてノウハウを培ってきたJ-PECのツールやコンテンツを使っていただける。

 J-PECではDC制度加入者向けに定期的にセミナーを開催するなど、継続教育についてもオープンな機会を提供している。DC制度の内容についてゲームをしながら学んでいくスマートフォンアプリも提供しており、先端的なサービスを提供できていると思う。

J-PECのサポートとは?

園田氏 J-PECが2015年9月にリリースした無料スマートフォンアプリ「人生ゲーム 確定拠出年金編」は、タカラトミーさまとタイアップして、広く知られているボードゲーム「人生ゲーム」の世界観を使って、確定拠出年金制度について理解が深まると好評だ。DC専門機関として磨いてきた、初めての方にも分かりやすく伝えるというノウハウを、「SMBC個人型プラン」を利用なさる方々にも提供していく考えだ。この考えは今回のスターターキットの刷新にも活かされており、DCや運用が初めての方でも、迷わずに運用商品が選択できると好評だ。

 また、DC関連の話題をまとめた定期情報誌「DCだより」や、DCガイド冊子などは、そのコンテンツの分かりやすさを評価していただき、三井・住友グループ以外の金融機関にも使っていただいている。日本経済新聞社さまと連携して実施しているDCセミナーは、今年も7月に東京と大阪の会場が満席になる盛況だった。誰でも参加いただけるオープンなセミナーであり、個人型DCの加入者や、加入を検討されている方々にもお役にたてるサービスと考えている。引き続き、楽しく、かつ、ためになる情報提供に努めていきたい。

普及を促すキャンペーン等の取り組みは?

古谷氏 現在、各部門と調整中だ。1月以降に新たな加入対象となる層の方々、また、自営業の方々など従来から加入対象であった方々など、これから幅広い層の方々がiDeCoに関心を強くしていくことが考えられるので、各店頭においては、どのような方々からのご相談にも的確にお応えしていく。個人向けサービスの品質が問われていると感じている。だからこそ、メガバンクでは唯一、店頭で個人型DCサービスを提供しているという強みを生かしたいと考えている。

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