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さわかみ投信のiDeCo、3つだけの運用商品でシンプルな「じぶん年金」を実現

2016-10-13
さわかみ投信
代表取締役社長 澤上龍氏(左)
企画部 廣瀬陽太氏(右)

 さわかみ投信は10月3日にiDeCo(個人型確定拠出年金)のWebページをオープンし、申込受付を開始した。同社プランの特徴は、運用商品数が法定下限の3本にしていること。同社が2014年4月にスタートした企業型DCは、既に16社が利用して順調に拡大しているという。同社の確定拠出年金分野への取り組みについて、代表取締役社長の澤上龍氏と、企画部確定拠出年金担当主査の廣瀬陽太氏に聞いた。

企業型DCに加え、新たにiDeCoを立ち上げ、運用会社を本業としながらも確定拠出年金の事業に積極的に取り組んでいるが、その意図は?

澤上 米国で1980年ごろから投信の残高が急速に伸びた背景に、確定拠出年金(DC)の存在があったことが知られている。DCは投信にマッチした制度であると感じている。

 また、スチュワードシップコードの導入や、フィデューシャリー・デューティーの意識付け、そして、来年1月からは個人型DCの加入対象者が大幅に拡大することなどに、時代の変化を感じる。そこには、国の成長を政府が全部担うのではなく、企業は企業価値を高めるために全力を挙げ、個人は老後の年金は自分で作ってほしいという国からのメッセージが込められていると受け止めた。

 そして、自分で年金を作るためのルールや法律が整備されたこの機会は、当社が一貫して取り組んできている「本当の投資家をつくる」チャンスだと考えている。

 当社では投信の積立投資を軸に、長期に投資するファンドとして「さわかみファンド」を設定・運用し、運用会社としてお客さまに直接、販売もしている。「さわかみファンド」を使って、投資金額に関係なくいつでも購入し、また、解約も自由な資産形成は誰にでもおすすめできるベーシックな投資手法だと考えるが、ここに、NISA(少額投資非課税制度)を組み合わせ、そして、原則60歳までは取り崩せないiDeCoも合わせるなど、ハイブリッドで活用することで、目的を持った資産形成を図りながら、同時にいつのまにか老後の安心も得られるようになると思う。

 ブームに乗って取り組むというのではなく、資産形成の本質を訴えながら、息長く取り組んでいく。iDeCoがきっかけになって、投資形成の本質について訴えられるチャンスなのではないかと考え、このタイミングでiDeCoに参入した。

廣瀬 iDeCoが60歳まで引き出せない制度であることをデメリットと捉える見方もあるが、むしろ、将来の安心に備えるという考えに立てば、半ば強制的に積み立てられることをメリットとして考えることもできる。

 「さわかみファンド」の提供を通じて当社は、普通の方々に資産形成の大切さを訴え続けている。積立金が積み上がることで将来への不安が和らぎ、自分の夢や本当にやりたいことに取り組むことができる環境をつくることができる。そして、もっと生き生きと元気に暮らすことができる。この考え方は、そのままiDeCoにも当てはまると考えている。

運用商品が3本の理由は? また、商品数を増やす考えは?

廣瀬 iDeCoを「投資のための口座」ではなく、「年金」として考え、株式投資などの経験のない一般生活者の方々が「年金」に求める機能を、シンプル、かつ、20年~40年という長期の積み立てという観点で考えた。その結果、3つの商品のラインアップで必要十分な条件を満たすと判断した。

 まず、「ある程度のリスクをとって、お金を増やしたい」というニーズに対応する商品として「さわかみファンド」を用意した。ファンドの運用方針が、運用資産の長期的な成長をめざすことにフォーカスしているので、iDeCoでの運用に相応しいと考える。

 そして、「元本割れは絶対にイヤ」と考える方に、元本確保型商品として「スルガスーパー定期1年」がある。元本1,000万円とその利息分は預金保険制度によって守られる銀行の定期預金だ。iDeCoでは投資することが絶対の条件ではないと思う。若いうちから、少しでも積み立てをする習慣を持つことの方が大事だ。投資については、ゆっくり考えて、ご自身の考えが固まったところから始めても良いと思う。

 最後に、「将来の物価の上昇に負けないようにしたい」と考える方に「DCダイワ 物価連動国債ファンド」を用意した。物価の上昇率に応じて元金が増える国債に投資するファンドだ。

 この3つのニーズは、どんな時代にも存在する。このニーズにしっかり応えられれば、これ以外に特に必要なものはないと考えているため、当面、商品数を増やす考えはない。もっとも、加入者の方から、もっと運用商品を増やしてほしいなど要望が高まった場合は、商品数を増やすことも考える。その際には、30年以上にわたって長く付き合えるファンドなのかということを、十分に調査して判断したい。

その他、iDeCoに関して付加サービスやキャンペーンなどの取り組みは?

廣瀬 iDeCoの取扱いは、口座獲得の目標を設定して取り組んでいるものではないため、キャンペーンなどの販促策は考えていない。

 投資教育についても、一般には分散投資の必要性を説き、リバランスの効果を解説するようなことになりがちだが、それとは別のアプローチがあると考えている。実際に、「いかに投資効果を高めるか」などについて熱心に勉強したいと考える人は少ない。むしろ、「将来のために資産形成をはじめましょう」というメッセージが響く方が多いと思う。そこに、長期で取り組むメリットの理解が加われば良いと思う。

 大事なことは、投資知識がなければ資産形成ができないということではなく、将来のための備えは誰でも始められて、始めるのは若い方が良いということを広めることだ。そして、誰もが感じている将来への「漠然とした不安」を、iDeCoを始めることによってやわらげることができることを知ってほしい。そのことを伝える工夫をしていきたい。

さわかみ投信のiDeCoの付加価値は?

廣瀬 当社は、一般消費者の方々に広く長期投資の効用や資産形成を始めることの大切さを訴えてきた。資産形成といっても、数億円の資産を作って富裕層を生み出そうというのではなく、将来の生活に不安を感じることなく、やりたいことができるような環境を自分でつくることが目標だ。

 iDeCoでは、将来の公的年金の給付と合わせて、老後の生活に苦労することがない資金を作ることが目標になる。そこに向けて、iDeCoの掛金の拠出を続けていく加入者の方々をしっかり支えていきたい。

澤上 さわかみ投信が全国で開催するセミナーには、投資について経験のない方々が多くいらしている。友だちが「さわかみファンド」を持っているから興味を持ったなど、口コミで集まっていただいている。同じような取り組みがiDeCoでもできると思う。

 そして、iDeCoをきっかけに投資を考える方には、投資の資金がどのように世の中に回っているのかについて知っていただき、企業とともに成長しようという「さわかみファンド」の本質もわかっていただきたいと思う。そこに長期投資の本質もあり、「じぶん年金」を作っていく楽しみもある。そのような加入者の方々を精一杯応援していきたい。

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