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確定拠出年金の運用に関する専門委員会、「商品提供数」「デフォルト商品」で金融系団体から意見をヒアリング

2017-03-10

 社会保障審議会企業年金部会 確定拠出年金の運用に関する専門委員会は、3月10日に第2回の会合を開き、日本証券業協会や全国銀行協会など確定拠出年金の運営にかかわる金融団体からヒアリングを行った。ヒアリングの主たるテーマは、「運用商品提供数の上限」と「指定運用方法(デフォルト商品)の基準」について。

運用商品提供数の上限は30本~40本など十分な水準に

 運用商品提供数の上限については、「運用商品提供数の上限は、少なくとも30本から40本程度までを目安とする」(日証協)、「上限を決めても、例外として、労使協議によって上限を超える本数を設定できることとしてはどうか」(生命保険協会)、「労使合意を前提に提示商品の上限の特例を認めるべき」(信託協会)など、各団体のそれぞれの立場から、様々な意見が出された。

 具体的な数値を発表した団体からは、「30本から40本程度」(日証協)、「40本程度が適当」(投資信託協会)、「30本程度を念頭」(生保協)など、30本を超える数値が回答された。これは、企業年金連合会が2016年に調査した企業型確定拠出年金制度の平均提供数18.4本よりも、一回り大きな数字になった。

 この大きな数値の理由は、「企業年金連合会の調査結果でも上限本数を30本と指定した場合、全体の3.9%、すなわち、約23万人に影響がおよぶ。たとえば、確定拠出年金制度に採用されているMMFを償還するために1年以上の期間を要するなど、商品の入れ替えには大変な労力がかかる。既存の加入者や事業主への負担や影響を最小限にとどめる意味でも政省令で定める上限は、『あくまでも超えてはいけない上限数』としてゆとりを持って定めるべき」(日証協)というのが代表的な意見。

 全国銀行協会も「上限数は、加入者の選択の機会を損なわないよう、十分な水準としていただきたい」と要望した。

 また、投信協は、「ターゲットイヤーファンドやバランス型などのコア商品、加えて、株式、債券、リートについて国内外・新興国・為替ヘッジの有無などを考慮してインデックスファンドを揃え、預金や保険など元本確保型商品、そこに、オルタナティブ商品を追加するとインデックスファンドだけで30本くらいになる。ここに、アクティブファンドを10本程度加えると、40本になる」と、具体的にアセットクラスや商品カテゴリーなどを積み上げて上限数を示した。

 また、「バランス型やターゲットイヤー型などのパッケージ型はシリーズで1本として数える」(日証協、投信協、全銀協、日本損害保険協会)など、本数の数え方は、パッケージ型を1本とする数え方を求める声が強かった。

 そして、「個人型(iDeCo)は、加入者が加入先を自由に選択することができるため、企業型とは異なる基準で検討し、企業型を上回る本数にしてほしい」(日証協)。「個人型(iDeCo)には、上限の設定は不要と考える」(生保協)など、個人型については企業型以上に柔軟な対応を求める声が強かった。

 あまり数が多すぎて商品が選べないという意見があることを踏まえ、「まずは、指定運用方法や商品選択が困難な加入者の選択肢を示し、多数の選択肢を求める加入者には、その他の幅広いラインアップを示すなど『階層的な提示方法』を提案したい。この際、指定運用方法について他の商品とは区分した表示・説明を行ったとしても、推奨には該当しない旨を明示していただきたい」(日証協)など、提供商品の情報提供方法を工夫することで、加入者の選択をサポートすることも可能という意見もあった。

デフォルト商品はおおむね運用商品ながら、元本確保型の除外有無で分かれる

 指定運用方法(デフォルト商品)の基準については、各協会ともに、長期の年金運用という目的に相応しい運用商品(バランス型ファンド、ターゲット・イヤー型ファンド、アロケーション型ファンドなど)が相当するという意見でおおむね一致していた。ただ、「元本確保型商品は該当しない」(日証協、投信協)という立場と、「元本確保型商品を除外すべきでない」(全銀協、信託協、生保協)など、異なる意見が出された。元本確保型商品を除外すべきでないという意見は、既存のプランではほとんどのデフォルト商品が元本確保型商品になっている現実を尊重すべきだという意見だった。

 また、「デフォルト商品の元本欠損時等の関係者(事業主、運営管理機関)の法的リスクに対する担保措置」(信託協)、「いわゆるセーフハーバールールを設けていただきたい」(全銀協、信託協、損保協)などの意見が出された。

 同専門委員会では引き続き関係者からヒアリングを続ける。

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