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DCの運用に関する専門委員会、労使団体等からヒアリングでデフォルト商品に元本確保型の必要性

2017-03-22

 社会保障審議会 企業年金部会 確定拠出年金(DC)の運用に関する専門委員会が3月21日に開催され、労使団体等からヒアリングを行った。同専門部会では、主として確定拠出年金制度における「運用商品数の上限」、および、「指定運用方法(デフォルト商品)の基準」について議論している。前回は、運営管理機関業務を行う金融機関等の関係団体からのヒアリングを実施している。

 日本労働組合総連合会(連合)は、「企業年金は退職給付の一部をなすものであり、確定給付企業年金(DB)が基本」という立場。そのうえで、DCを含む企業年金は、公的年金の補完機能として普及促進を強化すべきとした。運用商品数の上限については、「現在実施されている企業型DCの実態に即し、加入者に幅広い選択肢が引き続き提供されるよう検討が必要」とした。また、指定運用方法の基準については、「元本確保型商品が選好されている実態を踏まえた検討が必要」と要望した。

 日本経済団体連合会(経団連)は、実施事例の紹介としてNTTグループ、パナソニック、日立製作所とともに参加。「企業型DCは、DBとともに退職給付の基幹的な制度として、労使合意のもとで、多様で柔軟な制度設計を可能とすることが重要」との立場で要望した。運用商品数については「一律に規制することは望ましくなく、労使合意により具体的な上限を定める選択の余地を残すべき」とした。また、指定運用方法の基準は、「元本確保型を含め、労使の実情を踏まえて、柔軟な制度設計を阻害しないよう、幅広く選択できるようにすべき」と要望した。

 委員からは、事例紹介のあった3社が継続投資教育を実施している実態を踏まえ、投資教育の成果測定について質問があり、各社は、資産配分比率の変化、元本確保型のみの運用者の比率などをモニタリングすることによって教育効果を測っていると回答していた。運用商品数の上限設定や指定運用方法の基準を決めるにあたって、加入者の制度理解や運用に関する知識が、どの程度のレベルにあるかというのは重要なポイントのひとつ。DBから移管した企業型DCでは、DBの運用利回り水準を確保するための「想定利回り」があり、元本確保型の商品のみの運用では「想定利回り」を確保できないという課題がある。

 一方、企業型DCの指定運用方法に元本確保型を求める声があるのは、「M&Aなどで企業が統合した場合の一時的な受け皿、または、中途採用などで運用期間が短い高年齢の社員を受け入れる際の受け皿として元本が毀損する可能性がある商品をデフォルト設定するのは慎重にならざるを得ない」という理由が説明された。また、「仮に元本確保型がデフォルト設定できないなる場合は、事業主の免責規定を設ける必要がある」との要請もあった。

 中小企業の実態について森田人事労務事務所がヒアリングに応じ、中小企業では「総合型DCプラン」の採用が多いこと、また、継続投資教育については不十分な状況にあることが報告された。

 また、一般消費者のiDeCo(個人型確定拠出年金)への反応について、みらい女性倶楽部から、「一般の消費者は、公的年金や私的年金など年金制度、また、投資信託しくみなど理解していないケースが多い。iDeCoの節税メリットについても、自分の所得税率を知らないなど、具体的な節税のイメージをつかんでいない人が多い」として、「iDeCoに興味をもっても、運用商品数があまりに多いと、商品説明を結局理解できず面倒になり、つまづいてしまう」と紹介した。運用商品説明資料で語彙の使い方が運用会社によって異なることで消費者を混乱させている。また、「アクティブ」「パッシブ」「信託報酬」など普段使わない言葉を聞くだけで難しく感じてしまうなど、iDeCoの抱える課題が報告された。

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